本研究では、信州大学の管理する難聴患者DNAバンクのうち、インベーダー法を用いたスクリーニング検査で原因の明らかとならなかった難聴患者500名を対象に、難聴の原因遺伝子として報告されている遺伝子の網羅的解析を実施し、稀な原因遺伝子変異を見出すとともにその臨床像を明らかにすることができた。また、前項の既知難聴原因遺伝子の網羅的解析を行っても難聴の原因を特定できなかった症例のうち、家系内に複数罹患者をみとめ、なおかつ家族のDNA試料のある家系を対象に、全遺伝子のエクソン領域を網羅的に解析するエキソーム解析を行い、新規原因遺伝子候補を複数見いだすことができた。
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