研究課題
平成29年度は,既存の教授法整理の分野で学習評価と研究指導の整理と体系化を主に進めた。28年度までに公表したアクティブラーニ ング、授業設計、講義法に関する教授法に続き,研究指導については成果を書籍にまとめ公表した。研究指導では、指針と方法を理解、学生との信頼関係、集団指導の技法に大きくわけて、実践的な教授法をまとめた。特に、研究指導の指針として、計画立案、探究的思考を促す、豊かな経験を与える、倫理的な姿勢を身につけるの4領域に整理したこと、集団指導の効果を高める方法として、学生の協働を促す、読む訓練、書く訓練、研究発表支援に分けて整理したことが大きな特徴である。研究指導の技法は国内外でもほとんど教授法として体系化されておらず、本研究によってその整理を進めることができた。また、学習評価についても書籍として成果を公表する準備を整えた。特に、学習評価を大きく設計と実践に分け、設計では目標と評価の整合性をとる技法を示した。実践では、筆記試験、レポート課題、グループ学習、実技・実習の評価、ルーブリック評価、ポートフォリオ評価の技法をまとめた。これらに加えて、障害を含む多様な学生の評価の技法も示した。今後の課題として、授業改善分野の教授法体系化を残した。一方で、優れた授業を行う教員の質的調査として,米国との比較研究に継続して取り組んだ。29年度は国内の大学で、優れた授業を行う教員として学内表彰を受けた教員を対象に、授業におけるアサインメントの準備,発問の準備,過去の授業経験から授業改善点を考えるプロセスの3点を中心に質的調査に取り組み,グラウンデッドセオリーアプローチによる分析を行った。28年度に得られた組織学習研究の枠組みの援用に基づき、教育力の高い教員の存在と大学組織の教育・研究方針の関係を明らかにする実証分析にも取り組んだ。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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