研究課題/領域番号 |
15H02937
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
舟生 日出男 創価大学, 教育学部, 教授 (20344830)
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研究分担者 |
加藤 浩 放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文学部, 教授 (20323199)
久保田 善彦 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (90432103)
望月 俊男 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)
狩野 紀子 拓殖大学, 外国語学部, 教授 (40350574)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | キーワード型eポートフォリオ / 構造的学修 / 自己効力感 / コンセプトマップ / 学習支援システム |
研究実績の概要 |
本研究では、メタ認知能力の低い学生を対象に、メタ認知能力を向上させつつ学修を確かなものとすることを目指し、コンセプトマップと時系列グラフを活用して、a)大学での学習内容を全授業科目にわたって総合的・構造的に捉える力、b)それらの振り返りを通した、自らの学修に裏打ちされた自己効力感、の2点を促進するためのキーワード型eポートフォリオシステムの開発を目指している。実施計画で示した2項目について、本年度の実績を以下に示す。 1. サブシステム・機能とキーワード型eポートフォリオシステムの開発 要学習キーワード構造と学習マップの比較結果のフィードバック機能、および、総合的な学習経験として全学習マップを1つに統合したマップを提示する機能の開発に取りかかったが、開発途上である。授業終了直後にキーワードを入力し、空いている時間を使って授業ごとに、キーワードについての自信度とその説明、および、複数のキーワードを用いた説明文を入力した上で、学習者間でそれらを共有することのできる機能を実装したキーワード型eポートフォリオシステムのプロトタイプを開発した。本システムを活用したことによる学生の変容について検討するために、1セメスターにおいて試験的に運用し、インタビュー調査やアンケート調査によって分析した。これらの成果の一部を日本教育工学会第32回全国大会で発表した。 2. 要学習キーワード構造の効果的な作成方法の開発とレパートリーの充実 要学習キーワード構造について、当該授業科目を修得済みの学生がワークショップ形式で作成する方法を整理した。また、この方法に基づき、要学習キーワード構造のレパートリーを充実させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、「1. サブシステム・機能とキーワード型eポートフォリオシステムの開発」については、開発途上の機能があるものの、eポートフォリオシステムのプロトタイプの開発を終え、試験的に運用できたことから、おおむね順調に進展していると言える。 「2. 要学習キーワード構造の効果的な作成方法の開発とレパートリーの充実」についても、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
開発途上である、要学習キーワード構造と学習マップの比較結果のフィードバック機能、および、総合的な学習経験として全学習マップを1つに統合したマップを提示する機能については、1つの授業全体や、複数の授業を関連づけて概観できる学習マップを表示することに焦点を当てて開発を進める。 試験的運用の結果、継続的なシステム利用、および、メタ認知活動を促すために、自己調整学習についても支援すべき学習者が存在することが明らかになった。この点については、新たに加わった共同研究者の協力を仰ぎながら、習慣的・継続的なキーワードの入力や振り返りを促すための機能を開発する。学習者の特性に合わせて、いくつかの方法の中から選んだり、組み合わせたりすることで柔軟に支援できることを目指す。 キーワード型eポートフォリオシステムのプロトタイプの運用については、開発を終えた機能を適宜実装しながら、今年度も実施する。特に、キーワードの抽出や関連づけに関するシステム支援の効果に焦点を当てる。
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