研究課題
身体活動・運動の効果の検証に関して、成人では疾患リスクや死亡リスクをアウトカムとして論じることが多い。子どもでは、疾患や死亡に至るまでの期間が長いこともあり、疾患・死亡リスクによって身体活動の恩恵を報告した研究は極めて少ない。小児を対象とした研究では、体力をアウトカムにした先行研究は数多く報告されているが、しかし何故、小児期に体力を高めなくてはならないのか?との疑問に対しては、明確な回答が出せない状況にある。成人と異なり小児は疾患リスクなどから身体活動の意義を提示しにくい。本研究では小児の運動・スポーツの意義を文献レビューにより実施し、メンタルヘルス、社会スキル、健康行動を主たるヘルスアウトカムとし、子ども期(主に小学生から高校生)の運動・スポーツ活動がもたらす恩恵について、身体活動の評価の観点(身体活動強度や非組織的な遊び)から得られた成果も踏まえながら概観した。また、身体活動を評価するには活動量計などの計測装置を用いる方が定量的かつ客観的である。しかしながら、活動量計は一般的に高価であり、多人数を対象とするには適当ではない。その点、質問紙法は比較的安価であり、疫学的な観察研究では質問紙法がよく用いられている。身体活動を評価する質問紙法は様々な種類のものがあるが、小児では妥当性の検討が十分に行われていない。身体活動質問紙には国際標準化身体活動質問票(IPAQ)を用いることとしたが、IPAQは成人を対象としているため、児童・生徒に理解可能な例示に改め、加速度計によって妥当性を確認した。さらに、思春期前期の子どもの身体活動および抑うつ、首尾一貫感覚(SOC)について、約1万名の全国調査によりその実態を把握し、基礎的な資料も得た。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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体力科学
巻: 67 ページ: 83~98
10.7600/jspfsm.67.83
発育発達研究
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体育の科学
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