研究課題
BDNF遺伝子は9つの転写開始部位を持ち、9つのmRNA isoformを持つ。全脳BDNFノックダウンマウスとして2種類のマウスを樹立したところ、exon 4にSTOP cassetteをノックインしたマウス(BDNF STOP knockin)は、exon 1,2,3由来のmRNAの発現が消失し、exon 4を中心にtet systemで遺伝子発現を操作したマウス(Actin-tTS::BDNF tetO knockin)はexon 4,5,6,7由来のmRNAの発現が消失していることがわかった。いずれのマウスも、totalのBDNF mRNAの発現が約半分になっているが、前者は神経細胞由来のBDNF mRNAが抑制され、後者は、神経およびグリア細胞由来のBDNF mRNAが抑制されていることが期待された。前者は体重が少なく、後者は体重が増える傾向にあった。うつ・不安行動については、十分な個体数を使った解析はまだ出来ていない。BDNF tetO knockinとdopamine transporter-tTAマウスを交配して得られるダブルトランスジェニックマウスでは、側坐核にBDNFが過剰発現する。このマウスを生後からドキシサイクリン混餌で飼育し、オペラント行動の獲得後から普通食にし、BDNFの過剰発現を開始した。BDNF発現操作前後で、意欲、注意、固執、衝動、食欲に変化は見られなかった。以上の結果は、今後、情動の制御における側坐核BDNFの役割を考える上で基礎データとなる。
3: やや遅れている
性質の異なる全脳BDNFノックダウンマウスが幸運にも2つ樹立することが出来たが、一方で解析することが倍になった。このため、全脳BDNFノックアウトマウスの生化学的実験に時間をより多く割いている。行動解析にも倍の時間がかかる。
性質の異なる全脳BDNFノックダウンマウスの行動解析を精力的に行っていく。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 6件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 6件)
Am J Respir Cell Mol Biol.
巻: 54 ページ: 584-593
10.1165/rcmb.2014-0425OC.
Sci Rep
巻: 5 ページ: 19679
10.1038/srep19679.
Eur J Neurosci.
巻: 43 ページ: 923-932
10.1111/ejn.13188
Neuropsychopharmacology
巻: 40 ページ: 1569-1579
10.1038/npp.2015.26.
PLoS One.
巻: 10 ページ: e0121417
10.1371/journal.pone.0121417
Neuron
巻: 86 ページ: 813-826
10.1016/j.neuron.2015.03.041
Neurosci Res
巻: 98 ページ: 1-8
10.1016/j.neures.2015.04.003
Genome Biol.
巻: 16 ページ: 87
10.1186/s13059-015-0653-x
巻: 5 ページ: 11455
10.1038/srep11455.
Front Cell Neurosci.
巻: 9 ページ: 176
10.3389/fncel.2015.00176
J Neurosci
巻: 35 ページ: 11330-11345
10.1523/JNEUROSCI.0483-15.2015.
巻: 35 ページ: 12432-12445
10.1523/JNEUROSCI.3648-14.2015.
Nat Neurosci
巻: 18 ページ: 1606-1616
10.1038/nn.4116