• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 研究成果報告書

情動を制御するBDNFの直接効果の解明

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 15H03123
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 基盤・社会脳科学
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

田中 謙二  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30329700)

研究協力者 鈴木 暢  
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードBDNF / うつ病 / 多機能遺伝子改変 / 肥満
研究成果の概要

脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現が増えること・減ることが気分を変化させ、精神疾患発症に関与すると考えられていた。本研究では、この仮説を実験動物個体で証明することに取り組んだ。BDNFの発現を時期特異的、脳領域特異的に増やす・減らす介入を行った。ストレス負荷が無いと考えられる通常飼育では、いかなる介入も情動・認知に影響を与えなかった。涙の基礎分泌を自律神経応答の指標として、ストレス負荷からの回復過程を調べたところ、BDNFの発現低下は、ストレスからの回復を遅くさせた。このことから、BDNFは健康な状態よりもむしろストレスが負荷された状態において、機能を発揮する分子であると推測された。

自由記述の分野

神経化学

研究成果の学術的意義や社会的意義

うつ病のバイオマーカーとして血液中のBDNF量が注目されている。これまでは、うつ病の診断基準を満たすかどうかで疾患群と健常群を分けて解析されてきた。今回の研究から、BDNFはうつ病の直接的な原因というよりも、ストレス応答にかかわる分子であることが示唆された。それにより、ヒトにおいて高ストレス状態・低ストレス状態の分類や、ストレスレジリエント・ストレス脆弱の分類を設けて、BDNF量を解析することを提案できる。うつ病のかかりやすさや初期症状をストレス応答で切り分ける研究へと展開することが期待できる。

URL: 

公開日: 2020-03-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi