研究課題/領域番号 |
15H03170
|
研究機関 | 金沢美術工芸大学 |
研究代表者 |
保井 亜弓 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (30275086)
|
研究分担者 |
幸福 輝 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 客員研究員 (00150045)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | エッチング / ドイツ / オランダ・ネーデルラント / イタリア / フランス |
研究実績の概要 |
各研究者は、次のように担当の分野の海外調査研究を行ない、作品調査を行なうとともに、文献収集に努めた。 研究代表者は、2017年12月17日から21日までブレーメン美術館にある希少なエッチングコレクションを調査した。ここで、特に注目したのは、エッチングとエングレーヴィングの併用技法である。肖像画における顔の細部表現の陰影表現などに併用されることが多いようである。また、複数回の腐蝕についても細部の調査を行なった。2018年3月21日にミネアポリス美術館では、キュレーターのトマス・ライサー氏と意見交換した。3月23日と26日には、ニューヨーク、メトロポリタン美術館で調査研究を行なった。キュレーターのフレイダ・スパイラ氏との面談はできなかったが、その後メールで意見交換をした。スパイラ氏によれば、1540年代には、ドイツでも銅版エッチングに移行しているという意見であったが、具体的にどの時点かは、まだ定かでない。研究分担者は、2017年12月25日から29日までパリ、ルーヴル美術館およびパリ国立図書館で調査研究を行なった。連携研究者は、2017年8月28日ー9月4日にフォンテーヌブロー宮殿、パリ国立図書館で、2018年1月2-3日にルーヴル美術館でフォンテーヌブロー派の版画およびフォンテーヌブロー宮殿を装飾させたフランソワ一世についての調査研究を行なった。連携研究者は、8月23,24日にミュンヘン中央美術史研究所、8月28-31日にウィーン、アルベルティーナでとくにパルミジャニーノ、スキアボーネの調査を行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの調査研究により、基本的な文献は収集できた。初期エッチングを網羅的に調査するには至っていないものの、主要な作品については、調査を行なうことができている。また、2019年に「ルネサンスのエッチャーたち」の展覧会を企画しているメトロポリタン美術館のゲスト・キュレーターのキャサリン・ジェンキンス氏、キュレーターのフレイダ・スパイラ氏と意見交換することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度はこれまでの調査研究に基づき研究をまとめることを主眼とする。また、最終年度に2019年にメトロポリタン美術館とアルベルティーナで開催される「ルネサンスのエッチャーたち」展を担当しているキャサリン・ジェンキンス氏を招聘し講演会を開催して、意見交換を行なう予定である。
|