本研究では、タンパク質や核酸類などの生体高分子の新規な分離分析手法として、低分子ヒドロゲル化剤の自己集合により形成する超分子ヒドロゲルを支持体とする電気泳動技術の開発を行った。変性タンパク質の電気泳動では、イオン性界面活性剤の濃度により分離様式が変化することを明らかにした。DNA断片の電気泳動においては、超分子ヒドロゲルを支持体とすることで、通常ではパルスフィールド電気泳動法でなければ分離が困難なサイズのDNA試料を、ごく一般的なサブマリン型電気泳動装置で分離することに成功した。また、新たな支持体として機能することが期待される、新規な低分子ヒドロゲル化剤の開発も達成した。
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