本研究の目的は1)医薬品および生活関連ケア製品(PPCPと略)を水相から捕捉する疑似細胞膜層を構築する,2)捕捉されたPPCPを充分に保持できる疑似親水性相互作用分離層を創出する,3)PPCPの特徴を認識し,夾雑物を排除する多次元メカニズム分子鋳型層を構築する,である。 3年間の検討によって,本研究の最終目的である抗うつ剤のスルピリドの実際の河川水からの捕捉濃縮,定量に成功し,研究目的を完遂した。この成果は,モデルとして用いたスルピリドに留まらず,最近問題となっている貝毒,サキシトキシンやドウモイ酸などの化合物に対しても有効であることを確認しており,発展性のある成果となった。
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