研究課題/領域番号 |
15H04095
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
樋口 秀 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (90293258)
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研究分担者 |
中出 文平 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (10172347)
倉橋 透 獨協大学, 経済学部, 教授 (50272802)
松川 寿也 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (60444189)
柴田 祐 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (90444562)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 固定資産税 / 建築活動 / まちなか居住 / 屋外駐車場 / 郊外開発 / 地方都市 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、前年度に研究対象7都市(線引き都市:高知、長岡、松本、沼津、非線引き都市:上田、伊勢、沖縄)から入手した最新の課税関連地区別データ(課税土地面積,課税宅地面積,各評価額合計,各課税標準額合計,木造・非木造・建物用途別課税延床面積,各決定価格)を加えた平成18年度から平成27年度までの4時点(9年間)のデータベースを用いて、市街地4区分別の税収推移を分析した。さらに、その結果から、トレンドによる将来の税収を予測した。そして、平成18年度から平成27年度までに郊外部で増加した木造住宅床面積を中心市街地内の非木造住宅に転換させた場合の税収変化を推計し、市街地集約化の効果を検証した。 また、「屋外駐車場の制御」分野に関しては、研究蓄積がある長岡市のまちなかに着目し、敷地単位での屋外駐車場の存在量を地区別に把握するとともに、駐車場から多用途へ転換した敷地を抽出し、その特徴(敷地面積、敷地形状、用途地域、前面道路幅員他)を整理した。また、駐車場の利活用を目指した公営駐車場の活用実態についてまとめた成果を学会で発表した。「まちなか居住推進策の検討」分野では、長岡市を対象として、マンションの立地動向を把握した上で、国勢調査のデータから入居者の特徴を解明した。また、まちなか居住推進策としての雁木設置状況とその活用保存策を検討した成果、ならびに、空き家の解体除去に関する知見をまとめ成果を都市計画学会で発表した。「郊外部の税制と土地利用規制」分野では、前年度の明石市を事例とした生産緑地地区の指定に向けた取り組みの結果を踏まえて、農業側の制度を活用した開発抑制方策の課題を整理した。 年度末(H29.3)には、長岡市に集合して、これらのデータ分析結果に基づき意見交換するとともに、最終年度の研究計画について協議した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で示した通り、「固定資産税収の確保」分野、「屋外駐車場の制御」分野、「まちなか居住推進策の検討」分野、「郊外部の税制と土地利用規制」分野、それぞれで初年度に続き、中間年度も想定した内容の研究を実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度、中間年度の成果をもとに、「固定資産税収の確保」分野では、推計によって求められた将来税収結果を、各自治体に示すとともに、対応の必要性と、対応策を具体的に検討する。そして、税収確保に向けた提言をまとめる。さらに、「まちなか居住推進策の検討」分野とも連携し、税収確保を目指した具体的な施策の展開可能性を検討する。 「屋外駐車場の制御」分野では、駐車場から多用途へ転換された敷地の土地所有者を対象とした調査を実施し、その理由と転換効果を解明する。この動きを加速させることで、税収確保とまちなか居住推進方策の検討と連携させる。一方、地権者が建物を除去し、その跡地利用として屋外駐車場を選択するのは、土地保有リスク(固定資産税+管理費+雑費)に比べて、リターン(収入)が多いことに起因するため、屋外駐車場の増加を防ぐ固定資産税のあり方を検討する。「郊外部の税制と土地利用規制」分野では、これまでの2年間で得られたデータを活用し、新たな開発が選択されないような税制のあり方を検討すると共に、既存の集落等は維持保全できる施策を検討する。 そして、年度末には、すべての分野の成果をまとめた固定資産税制度を活用した市街地集約化とまちなか再生手法を全体で検討し、関係団体に情報発信するとともに学会での成果発表を行う。
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