研究課題
オートファジーが異常蛋白の分解において中心的な役割を果たすのに対して、ストレス顆粒はストレス下におけるRNA代謝、異常の修復および細胞死の抑制において必須の役割を果たす。申請者は、オートファジーとストレス顆粒が協調して蛋白分解とストレス応答を制御していることを見出し、このクロストークを制御する分子として脱ユビキチン化酵素USP10を同定した。さらに、この経路により筋萎縮性側索硬化症の原因遺伝子産物TDP-43の分解が制御されることを見出した。これらに関して、申請者らは以下の成果を得た。1)ストレス顆粒とオートファジーが協調してTDP-43の分解に関与することが示唆された。2)脳特異的なUSP10欠損マウスを樹立した。このマウスでは体重の減少が観察され、この体重減少はUSP10のへテロマウスでも観察された。これらのUSP10欠損マウスでは行動異常が観察された。3)ストレス顆粒欠損マウスを樹立するために、G3BP1およびG3BP2の欠損マウスの作成を開始した。G3BP1欠損マウスについてはG3BP1ターゲティングベクターを導入したES細胞を樹立した。G3BP2欠損マウスについては、キメラマウスを樹立した。今年度中にG3BP1およびG3BP2のダブル欠損マウスを樹立する予定である。
2: おおむね順調に進展している
TDP-43の分解にストレス顆粒が関与することが明らかになった。G3BP2欠損キメラマウスを樹立した。G3BP1のターゲティングベクターを導入したES細胞を樹立した。脳特異的USP10ノックアウトマウスを樹立した。
G3BP1とG3BP2のノックアウトマウスの作製を進める。脳特異的USP10欠損マウスの表現系を解析する。ストレス顆粒とオートファジーによるTDP-43の分解に関する分子機構をさらに解析する。USP10によるTDP-43の分解の分子機構をさらに解析する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)
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