研究課題
基盤研究(B)
抗酸菌細胞壁の脂質成分は免疫を賦活化あるいは抑制する活性を有する。我々は、抗酸菌の免疫制御性脂質として知られるミコール酸(MA)およびフェノール糖脂質(PGL)を認識するDAP12会合型のITAM共役受容体を同定した。これらの受容体の欠損はこれら脂質に対するMφの応答をほぼ完全に消失させた。また、MA受容体の活性化は抗酸菌増殖に許容的なMφの動員を促すことが判った。MA受容体欠損マウスは、C型レクチンMincleを介した炎症応答が促進され、BCG菌の排除が促進されることが判った。従って、免疫制御性の抗酸菌脂質を認識するDAP12会合型受容体が、菌の免疫回避に関わる可能性が示唆された。
免疫学