研究課題
筋炎特異自己抗体の対応抗原であるTranscriptional Intermdiary Factor 1γ (TIF1γ)、Mi-2、Melanoma Differentiation Antigen Gene 5のリコンビナント蛋白をそれぞれ作製し、C57BL/6 background、Balb/c backgroundの野生型マウスに完全Fruend アジュバントとともに繰り返し免疫する実験を行った。また、これらの自己抗原に対する液性免疫応答、すなわち自己抗体の産生が誘導できるかどうか、さらに筋組織および肺組織において筋炎および間質性肺炎の発症が誘導されるかどうかを、主に病理組織学的検査によって検討した。その結果、TIF1γ蛋白の繰り返し免疫により、筋炎が誘導されることが組織学的に確認された。間質性肺炎の誘導は確認されなかったが、自己抗体の産生は認められた。また、B細胞表面分子の発現改変マウスに免疫したところ、野生型とは異なる重症度が観察されたため、B細胞特異的分子の筋炎病態における関与のメカニズムが存在することが示唆された。抗TIF1γ抗体が悪性腫瘍合併皮膚筋炎患者において高率に出現するメカニズムを探索するため、担癌患者における抗TIF1γ抗体をenzyme-likned immunosorbent assayにて検討を行った。種々の悪性腫瘍患者血清を検討したところ、1%以下の頻度で抗TIF1γ抗体が陽性となることが確認された。これらの患者においては皮膚筋炎の発症は認められていなかった。
2: おおむね順調に進展している
筋炎の誘導が確認でき、メカニズムの解明も部分的に進行しているため。
もっとも進んでいるTIF1γ免疫のモデルに絞って、筋炎発症メカニズムを解析していく予定である。
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