本研究では口腔扁平上皮癌の浸潤・転移機序の解明を目的として以下の解析を行った。 EGFRの発現はセツキシマブの効果と関連する可能性がある。症例の58.3%でEGFRが高陽性であった。高度浸潤癌で陽性率が低い傾向にあった。EGFRの発現減弱と上皮間葉移行(EMT)に関連を認めた。 口腔癌には強い免疫抑制状態でPD-L1を発現するタイプの腫瘍がある。口腔癌の微小環境におけるPD-L1の発現機序の検討が重要である。PD-L1の発現は高度浸潤癌で弱く、低浸潤癌で高かった。PD-L1の発現はEMTと関連を認めた。しかし高浸潤癌細胞とマクロファージや樹状細胞を共培養することでPD-L1の発現上昇を認めた。
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