超高齢化社会を迎えた我が国では,平均寿命は延びる一方,介護を必要としない健康で自立する期間である健康寿命は伸び悩んでいる。身体活動の増加により,生活習慣病,認知症,がんの発症リスクを減らすという多くの生物学的・疫学的なエビデンスの蓄積からも,身体活動は,様々な臓器において全身的効能をもたらすことは周知の事実となった。しかし,その作用機序は極めて複雑であり,不明な点が多い。骨格筋の量や質を維持することは健康寿命および個体寿命の双方の延長につながると考えられる。本研究で行った骨格筋の遺伝子機能解析により,骨格筋と全身性の代謝恒常性との関連性を分子レベルで明らかにすることができた。
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