多剤耐性菌の出現が医療の現場で大きな脅威となっている。多剤耐性菌による問題を克服するため、新たな抗菌薬の開発や治療法の確立が求められている。本研究では、細菌が産生する薬剤耐性蛋白を標的とした阻害剤を開発することを目的とした。薬剤耐性タンパクの機能を阻害することができれば、本来、それらの存在によって無効化してしまうはずだった抗菌薬の効果を十分に担保できるものと期待される。本研究では、カルバペネム耐性に関与するメタロベータラクタマーゼ、アミノグリコシド耐性に関与する16S rRNA メチルトランスフェラーゼを標的とした。各種化合物について検討し、これらの薬剤耐性蛋白の阻害剤を発見することができた。
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