研究課題
本研究は、歯をモデルとして上皮-間葉相互作用における陥入上皮の運命決定に関わる制御因子の同定を目的としている。初年度は歯-毛スイッチングが起こるモデルマウスの解析をもとに、細胞運命決定を司る幾つかの候補遺伝子を選定した。具体的にはRNA-seqを用いて、歯、毛、肺および腎臓など上皮-間葉相互作用によって形成される器官の初期発生時期の遺伝子発現の比較を網羅的に行った。その中で歯および皮膚に強く発現するPKP1遺伝子に着目し解析を行った。PKP1は外胚葉異形成症原因遺伝子の一つとして知られており、Wntシグナル調節因子の一つであるbeta-cateninと同様にアルマジロリピート領域を有している。同因子はWntシグナルを活性化させると局在を細胞膜から核内に移行し、遺伝子発現を制御している可能性を発見した。本成果は論文発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
歯の運命決定に重要である因子のスクリーニングを行い、幾つかの候補遺伝子を選定している。その中の一つは機能解析を終了し、論文発表を行った。
候補遺伝子の歯の発生における発現パターンおよび細胞分化に与える影響を解明する。さらに歯ー毛スイッチングに関わる因子の機能解析を行うことで、歯の再生法への応用を図る。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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