本研究では、簡便にデータ収集でき、施設間比較の可能な長期療養施設におけるケアの質指標を開発した。選定されたアウトカム指標項目の妥当性・活用可能性を検討するため、医療療養病棟を有する医療機関4施設においてケアの質改善活動を実施し、活動前後のアウトカム指標の変化を検討した。身体拘束の必要性の評価および解除、褥瘡リスクアセスメント、転倒・転落リスクアセスメントにおいて、介入前よりも介入後で実施割合が高く、これらの指標の変化はケアの質改善活動によるケアの質向上を反映している可能性が示唆された。今後、日常業務の中で負担なく質指標データを収集し、ケアの質改善に活用できるシステムを構築することが課題である。
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