研究課題
本研究課題では、脈動オーロラと呼ばれる数ミリ秒から数百ミリ秒の時間変動を内在しつつ、数秒から数十秒で明滅するオーロラ現象の生成機構を理解することを目的としている。この目的のために、地上からの光学、レーダーによるオーロラ観測、極域におけるロケット実験、あらせ衛星による宇宙空間の観測、そしてシミュレーションを組み合わせた研究を実施する。平成29年度においては、北欧に設置した高速カメラ群による観測を継続し、あらせ衛星との同時観測を多数回実施することに成功した。また、北米のカメラとあらせ衛星との同時観測から、世界で初めてプラズマ波動によってロスコーンに散乱される電子の特定に成功するとともに、その電子が脈動オーロラの明滅を担っていることを明らかにした。また、海外で実施される観測ロケット実験への機器搭載の提案を行い、平成30年度に北欧、平成31年度に北米で実施される観測ロケット実験に採択された。平成29年度は、平成30年度の観測ロケット実験に関する準備を進め、搭載観測機器の開発を進めた。
1: 当初の計画以上に進展している
光学観測システムとあらせ衛星との同時観測を多数回実現し、良好にデータを取得している。また、世界で初めて、あらせ衛星と地上との同時観測によって脈動オーロラを起こす降下電子の計測に成功している。
あらせ衛星、地上光学同時観測を引き続き推進するとともに、脈動オーロラを起こす電子の散乱および発光に関するシミュレーションを進めていく。また、平成30年度および31年度に実施予定の観測ロケット実験の機器開発を進めていく。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 17件) 備考 (1件)
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http://www.psa-research.org/