卵巣明細胞腺癌細胞株にPI3K/mTOR同時阻害薬を添加し、濃度依存性に抗腫瘍効果を示すこと及び増殖シグナルを抑制することを確認した。また卵巣明細胞腺癌細胞株のうちTP53変異を有する細胞株ではTP53変異を有さない細胞株に比べ同薬剤が高率にアポトーシスを引き起こすことを示した。TP53変異の有無がPI3K/mTOR同時阻害剤を卵巣明細胞腺癌に用いる際のバイオマーカーとなる可能性がある。さらに他の分子標的薬や抗癌剤との併用でより効率的にアポトーシスを起こすことが可能か検討しており、MDM2阻害薬やMEK阻害剤が有力な候補と考えられる。
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