神経膠腫は最も高頻度に発生する脳腫瘍の一つである。低悪性度神経膠腫(lower grade glioma、以下LGG)は全神経膠腫の1/3を占める腫瘍であり、IDH1/2変異、染色体1p/19qの共欠失の有無により明瞭に三群に分かれることが報告された。我々は、5つの大学病院から300を超えるLGGの検体提供を受け、網羅的に遺伝子異常探索を行い、各群において独立に予後不良因子となる遺伝子異常や臨床因子(年齢や手術摘出度など)を同定した。アメリカのthe Cancer Genome Atlas(TCGA)の公開データも使用し、これらの結果の確認も行った。
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