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2015 年度 実績報告書

アメロゲニン由来新規ペプチド固定バリアメンブレンの開発と骨再生誘導への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15H06436
研究機関広島大学

研究代表者

粟田 哲也  広島大学, 大学病院, 病院(歯)歯科診療医 (90758179)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワードアメロゲニン / 骨再生 / バリアメンブレン
研究実績の概要

本研究では、エナメル蛋白アメロゲニンのC末端側ペプチド(amgCP)の歯周組織構成細胞に対する代謝調節機能に着目し、未分化間葉系幹細胞(MSCs)および骨芽細胞の骨代謝誘導機能に及ぼす影響について明らかにすることを目的とする。さらに、骨造成用バリアメンブレンにamgCPを固定し、歯槽骨や顎裂部の骨欠損部を被覆することにより、効率的に骨再生を誘導する新規治療法の確立を目指す。
我々のこれまでの研究により、培養ヒトセメント芽細胞などの歯周組織構成細胞に対して生理活性をもつと想定されるアメロゲニンペプチドをバリアメンブレンに固定し、骨欠損部に応用することにより、骨再生のスペースを確保しつつ、MSCsや骨芽細胞の増殖や分化を誘導し、より効果的に骨の再生を促進できるものと考えられる。
初年度は、amgCP添加がMSCsおよび骨芽細胞の細胞増殖能・基質産生能に対する影響について検討を行い、amgCPがMSCsおよび骨芽細胞の細胞増殖能に影響を及ぼすことを明らかにした。また、amgCPによるMSCsの細胞増殖におけるシグナル伝達機構について検討を行った。さらに、金基板表面にカルボジイミド法により、amgCPを固定し、SPR装置を用いてamgCPの結合量を定量した。また、ラットを用いた実験で骨再生能を評価するため、紫外線グラフト重合法を用いて、吸収性P(LA/GA)メンブレンにamgCPを固定した。次年度は、amgCPを固定した基板上でのMSCsおよび骨芽細胞を培養することにより、amgCPの基板への固定が細胞増殖能・基質産生能に及ぼす影響について検討を行う。さらに、ラット骨欠損モデルを作製し、欠損部にamgCP固定メンブレンを被覆し、amgCPの骨再生効果に及ぼす影響について検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、amgCP添加がMSCsおよび骨芽細胞の細胞増殖能・基質産生能に対する影響について検討を行い、amgCPがMSCsおよび骨芽細胞の細胞増殖能に影響を及ぼすことを明らかにした。また、MSCsの基質産生能についても影響を及ぼす一方で、骨芽細胞に対しては影響を及ぼさなかった。amgCPによるMSCsのシグナル伝達機構について検討を行った結果、ERK1/2経路に及ぼす影響については明らかにしたが、今後Wnt/β-catenin経路について検討を行う予定である。amgCPの生体材料への固定化および定量方法の検討では、金基板表面にカルボジイミド法により、amgCPを固定し、SPR装置を用いてamgCPの結合量を定量した。次年度に、作成したamgCP金基板上で細胞を培養し、amgCP固定が細胞の増殖・基質産生能に及ぼす影響について検討を行う予定である。また、ラット頭蓋骨欠損部の骨再生能を評価するため、紫外線グラフト重合法を用いて、吸収性P(LA/GA)メンブレンにamgCPを固定した。

今後の研究の推進方策

平成28年度には、前年度に作成したamgCP固定金基板を用いた細胞培養実験およびamgCP固定バリアメンブレンを用いたラット頭蓋骨欠損部の骨再生実験によって、amgCP固定の有効性を検討する予定であるが、amgCPの結合部位によっては活性を失い、効果が減少することも想定される。そのため、効果が不十分な場合には、amgCPの配列にヒスチジン(His)タグを修飾したペプチドを合成することで、配向性を揃えてamgCPの活性を消失しないよう固定する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アメロゲニン由来新規ペプチドを用いた骨再生療法への展開2015

    • 著者名/発表者名
      粟田 哲也
    • 学会等名
      第74回 日本矯正歯科学会大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・マリンメッセ
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-20

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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