分子の絡み合いによって生じるトポロジカルキラリティの代表的な構造の一つであるトレフォイルノット構造を有する金属錯体を設計・合成し、触媒的不斉合成へ展開することを目的とした。既存の鎖状ノット前駆体の両末端に金属への配位部位としてリンを導入した分子の合成に取り組んだ。現在、3つの部分構造の合成まで完了している。また、両端にアルケン部位を持ったビピリジン配位子を合成し、配位子;金属が3;1となる亜鉛錯体を得ている。ここから、光学活性なオレフィンメタセシス触媒を利用した速度論的光学分割によるノット錯体の不斉合成を検討中である。
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