小児のう蝕は成人のそれと比較すると,急速かつ深部へ進行する穿通性であるのが特徴である.乳歯や幼若永久歯において,炎症がエナメル象牙境を通過し,歯髄や根尖部周囲組織へ波及した際,口腔内では歯肉膿瘍として臨床上観察されることがある.このような根尖病巣部や強い臨床症状を伴う歯の感染根管内から分離される菌が,Porphyromonas endodontalisである. 我々は,同菌及び同属のP. gingivalisが如何にしてエネルギー源を獲得しているか探索し,細胞外ペプチドを分解してジペプチドを産生するジペプチジルペプチダーゼ活性を持つことに着目し,生化学的手法を用いて同酵素の解析を行った.
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