生後0日齢のCdc42flfl;P0-Creマウスは短頭の特徴的な顔貌を呈しており、顔面裂、口蓋裂および頭蓋内出血の表現型が認められた。また、口蓋裂にともなう哺乳障害が認められ、生後2-3日で致死となった。骨格標本の解析より、上顎骨および口蓋突起の形成に不全が認められた。走査型電子顕微鏡解析および組織染色解析より、胎生15.5日齢におけるCdc42flfl;P0-Creマウスは口蓋突起の伸長に異常があり、その後の正中部の癒合および舌の下方移動が認められなかった。以上の結果より、Cdc42は口蓋形成過程を含む頭蓋顎顔面領域の形成において重要な遺伝子であることが示唆された。
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