本研究課題「ファノ多様体のピカール数」に関する研究として,(1)収縮射に着目したファノ多様体のピカール数に関する研究,(2)ファノ多様体に付随する高階の極小有理曲線族に関する研究,(3)ファノ多様体のスロープ安定性に関する研究を行った.(1)では,小収縮射を持たない6次元ファノ多様体に対して,向井予想を証明した.(2)では,ファノ多様体Xに付随する高階極小有理曲線族および階数の最大値を表す新たな不変量N(X)を導入し,N(X)が大きな値を取るための十分条件を与えた.(3)では,スロープ安定でないようなピカール数2以下の特別なファノ多様体を分類した.
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