セリアック病はグルテンの摂取により小腸に重篤な症状を呈する病気である。本研究の目的は、セリアック病緩和パンコムギの育成を目指して、本免疫疾患の主要抗原であるγグリアジンの遺伝子座を欠失した1D染色体とαグリアジンの遺伝子座を欠失した6D染色体を持つパンコムギの二重欠失系統を育成することである。1D染色体欠失5系統と6D染色体欠失4系統の中からもっとも有望な1DS-5と6DS-4のF1を自家受精してF2を得、染色体観察とPCRによって、1DS-5と6DS-4が共にホモ接合の1個体を得た。この個体から種子を増殖し、二重欠失系統を育成することに成功した。
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