ニッチ競争下にある動物の食性進化を追跡することを目的に,長時間スケール(700万年間)で共存した2つの小型哺乳類グループを対象に分析を行った.この結果,共存期間の前半期では,グループの食性は対照的になるような変化を示し,動物同士の相互的な作用が強かったと推測される.一方,後半期では,共存グループが互いに収束し同じような変化パターンを示すことから,環境に起因するフィルタリングが強くなったと推測された.同じ生態系で共存するには,系統的の近縁性に関係なく,共存初期時に食性を変化する必要があり,系統的に遠い関係のほうが,長く共存できることが明らかとなった.
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