研究課題/領域番号 |
15K00290
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
橋本 渉 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (80323278)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 光学設計 / シミュレータ / 組立式球面スクリーン / ゲームエンジン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,簡単に球面ディスプレイを設計構築し,気軽に展示運用することができる開発キットを構築することである.球面ディスプレイの設計構築において,本研究では光学設計,製作,調整,コンテンツ生成の4つの開発フローに分類する.2016年度の研究概要は次の通りである. 1 調整の自動化と高精度化(調整フロー):球面ディスプレイにおける調整とは,位置合わせ,輝度修正ならびに複数映像における境界の平滑化である.位置合わせについては,光学設計の結果より類推することが可能ではあるが,画素単位の微調整をおこなう場合は,実際に投影した状態での作業が不可欠である.そこで,昨年度開発した光学設計ツールにより,映像を投影しながら微調整できる環境を構築し,試作した球面ディスプレイへの適用評価をおこなった.また,球面ディスプレイを用いて微調整ができることを確認した. 2 歪み補正の高速化と簡単化(コンテンツ生成フロー):球面ディスプレイに正しい映像を投影するため,あらかじめ歪み補正を施した映像を生成する必要がある.しかし,歪み補正処理は特殊なものであるため,コンテンツを作成する際にはその処理を表に現れないように隠しておき,誰もが容易にコンテンツを作れるようにすべきである.ここでは,試作した光学設計ツールを改良し,Unityなどのゲームエンジンで,歪み補正処理を意識させず簡単に実現できる仕組みを構築した.ゲームエンジンでは,GPGPUを用いることにより自動的にパフォーマンスを最適化させることができるため,本研究におけるコンテンツ生成の高速化にも適している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1 調整の自動化と高精度化(調整フロー) おおむね計画通りに進捗している.平成27年度に開発した,表示位置合わせに関する微調整機能については,構成が異なる3種類の球面スクリーンにおいて適用評価を実施し,微調整の方法に関する検討を行うことができた.現時点では手作業による微調整であるが,観察用のカメラを導入することにより,自動化を図ることが今後の目標である. 2 歪み補正の高速化と簡単化(コンテンツ生成フロー) 市販されているゲームエンジンを活用し,歪み補正処理の遮蔽化(カプセル化)を実現できた.これにより,歪み補正処理をコンテンツ生成者に意識させることなく,コンテンツを開発することが可能となった.また,構成が異なる3種類の球面スクリーンにおいて,コンテンツ生成に関する適用評価を実施し,歪み補正処理を高速かつ正確に実現する手法について検討をおこなった.
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今後の研究の推進方策 |
1 成果の公表と開発環境の評価 開発された構築キットを,第三者が利用して,実際に球面ディスプレイを設計構築することが可能かどうかの検証をおこなう.第三者による試用に加え,開発された球面ディスプレイの画質や描画速度など,パフォーマンスに関する評価についても調査する.完成した構築キットは,オープンソースとして公開するなど,誰もが自由に使用できる状態にすることが最終目標である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は2015年6月より3か月間,スペインに留学しており,その間の研究では物品を購入する必要がなかったため,未使用額が2017年度にスライドした.
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果発表にかかる費用のほか,構築した開発キットを評価するために必要な投影環境,人件費に充当する.
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