研究実績の概要 |
本研究は、昨年と同様に読解プロセスにおける基礎的分析に基づきレポートや論文の読解・執筆する時に必要とされる文章・論理構造と専門分野に関する知識を活用した読解技術モデルの構築を目指す。本年度も物語構造分析を用いることで専門文書における詳細な文章・論理構造や専門用語の機能を分析した。 物語の構造分析というのは、昔のおとぎ話や映画などのストーリーを分類するために用いられる理論であるが、その理論を論文に適応できないかと考えていた。論文に適応する前に、まず漫画のストーリーについて構造分析を行った。恋愛漫画に焦点を当てて、典型的なストーリーパターンを分析し、抽出を行った。この成果については、人工知能学会で発表を行った。 次に、論文の構造への適応を試みた。論文の構造というのは、一般的にIMRAD(Introduction, Method, Related Works, Discussion)の構造で適応できるが、論文の形式的な構造だけでなく、どのようにしてその論文の特徴や長所を主張するのか、著者の意図を反映するのか、といった点に着目し、より詳細な分析を試みることができるのではないかと考えている。 これはCARSモデルといって(Creating a research space”というモデルが現存しており、英語でMoveやMoveにおける各ステップについて述べられている。これは英語でしか記述がないため、日本語の論文に適用できるものかどうかについて分析を行った。 日本語の論文を対象として分析を行ったが、英語のようにはっきりとした構造や記述がなく、特徴をつかみにくかった。言語的な特徴を捉えることに焦点を当てて、研究をおこなった。
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