ナノ粒子の生育への影響をグラム陰性菌(G-)及びグラム陽性菌(G+)で調べた。汎用されるカーボンブラックや、活性酸素生産が比較的低いとされるルチル型酸化チタンでさえG-の生育を特異的に阻害した。そこで、生育阻害を起こしたG-である大腸菌とコントロールの大腸菌のタンパク質の網羅的比較定量解析で発現タンパク質の相違を調べた。疾病に関与する総抗酸化能測定では生育阻害された大腸菌の総抗酸化能はコントロールと比較すると30%程度低下した。さらに、有機酸測定ではグルコン酸が大幅に減少した。大腸菌自体の健康度や他細菌との相互作用、細胞レベルでの関連性の有無、腸管クロストークなどへの影響に興味が持たれる。
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