消石灰を用いた排ガスの乾式処理とバグフィルタによる集じんを行っている焼却施設の飛灰を分析し,HClとの反応生成物は一般的に知られているCaCl2の無水和物や水和物ではなく,CaClOHであることを明らかにした。流通式反応装置を用いた170℃,Ca/Clモル比=0.1-5の条件での室内実験でも,Ca(OH)2とHCl反応生成物はCaClOHであり,焼却施設の飛灰分析結果と一致していることがわかった。消石灰の効率的利用を考えるとCaCl2まで反応を進行させることが望ましいが,現状の乾式処理ではCaClOH生成に留まっている可能性が示唆された。
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