ゴミ対策と耐久性に極めて優れ、設置工事が少なく魚道が不要などの利点の多い「渦巻き利用型発電用水車(低回転ボルテックス水車)」は、水車の力学的動作機序が不明で、発電効率が低く、信頼性のある装置設計ができないという問題があった。本研究では低回転ボルテックス水車の実験機を試作して基本性能を測定するとともに、数値シミュレーションによって動作機序を検討し、その結果に基づいて水車羽根条件などを変更しながら水車効率の改善を行った。その結果、水車羽根を渦巻中心近傍の高流速部分で効率良く作用させ、水車羽根下部や渦中心での無効水流を小さくすることで70%程度の水車効率を得られる事が明らかとなった。
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