研究課題/領域番号 |
15K00686
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
櫛 勝彦 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (30324726)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | プロダクトデザイン / ユニバーサルデザイン / デザイン方法論 / 料理療法 |
研究実績の概要 |
高齢者の生活における軽作業の導入、特に調理に関わる作業の取り込みを容易にすることを目的とした本研究は、高齢者施設等での実体調査、および現在の先行事例調査を中心に、さらには、参照研究対象として、調理活動を高度な生活の意義として捉える禅宗における実践(修行)の調査を行う事を予定した。 前者調査は、東京都での「なないろクッキングスタジオ」、大阪府「淀キリ訪問介護ステーション」、京都市「小規模多機能高齢者施設十四軒町の家」等での訪問調査や、高齢者と医療に関わる展示会や学会等(日本感性工学会、ヒューマンインタフェース学会、International Conference on Multimodal Interaction, 介護・福祉ロボット&機器開発展等)に参加するなど、情報収集にも努めた。先行事例調査として海外調査をあげたが、これについては、現在も実施ができておらず、本務業務との日程に目途がつき次第実施したいと考えている。以上の調査の一部は、『料理療法』の著者である京都教育大学湯川夏子准教授の協力を得ることで、有用な基礎情報を得ることも出来、湯川氏の主催する現在も料理とリハビリの関係についての研究グループに参加し交流を行っている。 一方、参照研究対象としての後者調査では、石川県輪島市「総持寺祖院」を訪問・滞在し、参禅体験と共に、日常の典座(調理担当僧)の観察調査を実施することが出来た。以上の調査の分析については、ラピッドエスノグラフィー手法に沿い、切片化作業を進行させつつあるが、分析結果の編集には現段階では至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定した調査自体は、概ね実施できたが、本務業務等の繁忙により調査データの分析作業に時間をかけられない状況が続いた。
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今後の研究の推進方策 |
調査データの分析作業を、研究室の大学院学生などにも協力要請を行い、作業の促進を図り、デザイン解決の指針(コンセプト)の確立を急ぎ、それらコンセプトの検証については、料理療法に関わる研究者、高齢者施設担当者などとも交流を図ることで行いたい。また、プロトタイプ制作の着手に予定通りに取りかかれるよう業務計画を見直し、研究環境の改善に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度実施予定の海外先行事例調査が28年度においても実施することができず、予定額を消化できなかった。これは、本務における業務負担が予定を上回ったため、日程調整がつかなかった事による。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、コンセプト構築とプロトタイプ作成が中心となるが、その仮説検証の意味からも、本年度あるいは最終年度である30年度に海外出張を計画し、予算額を有効活用を行いたい。
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