研究課題/領域番号 |
15K00785
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
小川 雅廣 香川大学, 農学部, 教授 (10398034)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オリーブハマチ / オレウロペイン / コラーゲン / ポリフェノール / オリーブ葉 / 線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
本研究では、(1)魚体と(2)魚の培養細胞を使って実験を行った。(1)では、①オリーブ葉粉末を餌に添加して育てたハマチ(以後、オリーブハマチ)について、各部位(普通筋、肝臓、血液など)のポリフェノール(PP)代謝物の解析、②血液タンパク質とPPとの相互作用の解析、③魚消化管におけるPPの吸収を調べ、(2)では、①オリーブ葉PPの細胞毒性試験、② 細胞増殖作用に関する研究に取り組んだ。 (1)魚体を使った実験の結果:①オリーブハマチの普通筋、肝臓、血漿からの抽出物をHPLC分析した結果、オリーブ葉由来のPP及びその代謝物は検出されなかった。②ハマチの血漿の抗酸化性をDPPH法で調べたところ、オリーブハマチの血漿は、オリーブ葉粉末を含まない餌で育てたハマチ(以後、普通ハマチ)の血漿よりも3.9倍抗酸化性が高かった。オリーブ葉由来のPPが検出されなかったにもかかわらず、オリーブハマチの血漿が高い抗酸化性を示したのは、オリーブ葉PPと血漿タンパク質が結合してしまったためと推察された。③ハマチの反転腸管を使って、オリーブ葉の主要ポリフェノールであるオレウロペイン(OLP)の透過性を調べた。投与されたOLP全量の約1%が代謝を受けることなく腸管を通過していたことから、OLPは微量であるが腸管から吸収されることが示唆された。 (2)魚の培養細胞を使った実験の結果:①金魚鱗由来線維芽細胞GAKS(理研RCB1452)及びティラピア肝由来細胞Hepa-T1(理研RCB1156)に対するOLPの細胞毒性を調べた結果、線維芽細胞、肝細胞とも100μMのOLP濃度までは毒性を示さないことが分かった。 ②細胞増殖作用については調べたが、現在試験を行っている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究計画は、一部結果がまだ出ていないところはあるが、ほとんど計画どおり実施した。また、当初計画よりも早く進んだ(1)については、平成28年度の研究計画に一部着手している。以上のことより、計画はほぼ達成されたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、(1)魚体については、オリーブ葉PPと血漿タンパク質が相互作用してるかを調べるとともに、筋肉中のコラーゲン量やタンパク分解酵素活性を調べる。(2)魚培養細胞については、酸化ストレス耐性試験や、細胞内でのPPの代謝産物の分析、細胞内タンパク質とPPとの相互作用の解析、コラーゲン産生促進作用の解析を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の研究計画は当初計画よりも早く進んだため、平成28年度の研究計画に前倒し申請(30万円)を請求して、研究を実施した。前倒し計画はほぼ順調に進んだが、前倒し計画で予想した経費よりも約4万円少ない状態で終わったため。要するに、前倒しの予算の見積もり間違いによるものである。
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次年度使用額の使用計画 |
残額の約4万円は、平成28年度の配分予算と一緒に、平成28年度の研究計画を実施するために使う予定である。
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