腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸は、宿主のエネルギー恒常性に重要であるとされている。本研究では、代表的な配糖体フラボノイドであるヘスペリジンとそのアグリコンであるヘスペレチンを用いて、盲腸内容物中の短鎖脂肪含量に及ぼす影響を検討した。ヘスペレチンは盲腸内容物中の短鎖脂肪酸含量を有意に上昇させたが、ヘスペリジンは変化しなかった。また、ヘスペレチンはデンプン消化の抑制効果を有したことから、未消化のデンプンが大腸に到達し、短鎖脂肪酸産生の基質として利用されたのではないかと推察された。ヘスペレチンは腸内細菌叢に変化をもたらし、特にClostridium subcluster XIVaの占有率を低下させた。
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