津波に強い海岸林(海岸防災林)を構築するため、森林施業がクロマツ林の津波抵抗性に及ぼす影響を力学モデルを用いて評価した。本数密度管理として、疎(ST)、中庸(MT)、密(DT)の3種類の林業管理タイプを設定し、限界流速(根返り、幹折れが発生する時の流速)を計算した。限界流速は樹木の成長と共に増加し、その値は管理タイプによって異った。STは、3つの森林管理タイプ中、最も津波抵抗性が高かった。しかし、本結果からは、浸水深が8 mを超えると森林が破壊され、その抵抗性の改善に限界があることを示された。 更に、森林管理により津波による立木の被害形態(根返り、幹折れ)を制御できる可能性がある事がわかった。
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