拘縮時の坐骨神経周囲組織に出現する病的変化(神経束と神経周膜の密着、および神経周膜の線維化)について、その機序を検討した。またその病的変化に対する理学療法学的治療について検討した。 その結果、拘縮時の坐骨神経および周囲組織の基底膜に、器質的な変化(ラミニンの減少とⅣ型コラーゲンの維持)が起こることを見出した。また、固定期間中に理学療法的手技(関節可動域運動)を行うことにより、この坐骨神経周囲の病的状態を予防ないし改善し得ることを示し、治療手技として有効である可能性を示唆した。また、軟部組織性拘縮に、神経が関与していることが示された。これらは、いずれも新たな知見である。
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