本研究の目的は、中・高強度領域における水泳運動中のグレーディングに関与する泳動作特性を明らかにすることで、競泳レースにおける努力度利用に関する実践的示唆を与えることによるパフォーマンス向上の可能性を検証することであった。主な成果として、1)主観的な努力度を10%以下に設定しても明確な違いを把握することが難しいこと、2)平泳ぎでは、プル動作とキック動作のタイミング(コーディネーション)の変化が、泳速度の調節に大きな影響を及ぼしていること、3)平泳ぎ選手は、全力に近い努力度で泳ぐ際に、至適なコーディネーションの維持に配慮する必要があること、等が明らかになった。
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