研究課題/領域番号 |
15K01701
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 浩明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40344890)
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研究分担者 |
岩崎 仁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20626874)
深津 佳世子 (佐々木) 茨城キリスト教大学, 生活科学部, 准教授 (70338903)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | microRNA / 糖尿病 / 肥満 / 合併症 |
研究実績の概要 |
microRNA (miRNA)はnon-coding RNAの一種で、標的遺伝子の機能を制御する働きを有する。miRNAは血中にも存在し、これらが細胞内に取り込まれてホルモンのように細胞の遺伝子調節を行う可能性も報告されている。また、血中miRNAは疾患のバイオマーカーとしても利用されてきている。研究の目的は、血中miRNAの生活習慣病およびその合併症のバイオマーカーとして有用性について検討することである。 1.2型糖尿病の合併症発症とmiRNA:様々なステージ(細小血管障害、運動、酸化LDLなど)の糖尿病患者の血清を集め、合併症ごとに患者のmiRNA発現状況をmiRNAのパネルやRNA sequenceを用いて検討する予定である。現在、患者血清サンプルの採取を行っている。また、今後、miRNAの発現と糖尿病合併症との関連を、前向きに研究を行い検討していく予定である。 2.玄米のmiRNA発現に与える影響:前糖尿病患者41名を玄米食群と白米食群の2群にランダムに割り付けて12週間投与。玄米群では白米群に比べて体重および腹囲が有意に減少した。HbA1cやIRI、HOMA-Rには有意な変化は認められなかった。研究開始時および試験終了後の血清サンプルをプールしmiRNAを抽出。miRNAの発現解析を行い、複数のmiRNAについて玄米食で変化を確認している。現在、validationのための解析を行っている。また、肥満者151名を玄米、7分づき米、白米の3群にランダム化し半年間介入し、血清サンプルを得た。前糖尿病者における検討で変化のあったmiRNAについて体重・腹囲・内臓脂肪面積・血清FGF21・血清ANGPTL2との変化との関連について検討を行う予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サンプルの採取は進んでいるが、癌患者の血清サンプルについては、まだ採取が始まっていない。また、血清miRNAの発現は非常に少なく、抽出の最適化に時間を費やし、miRNAパネルでの解析が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き血清サンプルを収集するとともに、サンプル採取が終了した研究から解析を行っていく。また、納豆やオリーブ茶など食品の摂取とmiRNA発現との関連についても新たに検討を加えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
サンプル採取およびサンプル解析が遅れたため、解析にかかる必要経費が減ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に解析のための費用として使用する予定である。
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