研究課題
近年、脂肪細胞から分泌されるアディポカインの1 種であるアディポネクチンの分泌異常が生活習慣病をはじめとする様々な疾患と関連していることが報告されている。生体内に存在するアディポネクチンには3 量体、6 量体、12~18 量体があり、多量体が高分子になるほど生活習慣病に対する抑制効果が高くなる。アディポネクチン受容体としては、AdipoR1、AdipoR2、T-cadherin の3 種類が報告されている。中でもT-cadherin は6 量体以上のアディポネクチン多量体とのみ結合することが知られているが、詳細なメカニズムは明らかにされていない。本研究では、これまで研究対象とされてなかった臓器結合型アディポネクチンに焦点を当てることで、これまでのアディポネクチン研究からの新たな展開や治療への利用といった応用へ向けての足掛かりとなることが期待できる。平成27年度は、正常血圧ラット及び高血圧ラット(3種)を用いて血中アディポネクチンと心筋における臓器結合型アディポネクチンのどちらがより高血圧及び心疾患に関連しているかを調べた。血中アディポネクチン濃度及び心筋結合型アディポネクチン量(左心室壁)に対する血圧、心重量/体重比、顕微鏡的評価(心筋細胞サイズ、線維化面積など)との関連を亜種間及び週齢間において統計学的に評価した。
2: おおむね順調に進展している
[研究実績概要]に記載した27年度の成果は、[研究実施計画]の内容に従っているため、[おおむね順調に伸展している]と評価した。
[研究実施計画]に従って研究を推進していく方針である。平成27年度は高血圧ラット亜種間における比較に焦点を置いて研究を行ってきた。平成28年度は心疾患抑制に対するアディポネクチンの分子レベルでの機序の解明を行っていく。
調整出来ない分が39円残っているが、計画通り使用できている。
細胞培養に必要な培地等の試薬およびプラスティック器具、遺伝子発現解析に用いるMicroarrayプレートや試薬を計上している。
すべて 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Respir. Res.
巻: 16 ページ: 90
10.1186/s12931-015-0255-x
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10.1186/s12929-015-0173-8
http://www.med.kindai.ac.jp/patho/