本研究では、緩和な乖離条件で調製した軟骨抽出液からChM-Iを免疫沈降することで、ChM-Iと相互作用する軟骨マトリックス分子群を単離・同定することに成功した。それらのうち1つの分子種については、微弱ではあるがChM-Iとの直接相互作用していると考えられ、ChM-Iを軟骨マトリックスにアンカリングする分子である可能性が示唆された。また、ChM-Iの切断酵素活性は軟骨細胞の分化とは関係なく、細胞表層または軟骨マトリックスに強く保持されているとの知見を得た。これらの成果は、軟骨における血管侵入障壁の形成と消失に関わる分子機構を理解する手がかりになると期待される。
|