神経ペプチド前駆体・セクレトグラニンⅡ遺伝子(Scg2)の欠損マウス(Scg2 KO)を用いて、電気刺激と音刺激を組み合わせた恐怖条件付け学習を行った。海馬依存的とされる文脈的想起において、Scg2 KOマウスはすくみ反応の抑制傾向を示した。電気刺激に対する感受性には遺伝子型による差異は認められず、すくみ反応の抑制は刺激への感受性の鈍化によるものではないと考えられた。また鶏胚漿尿膜法において、Scg2由来神経ペプチド・セクレトニューリンは血管新生亢進作用を示し、血管内皮増殖因子(VEGF)との生理活性の類似性がさらに確かめられた。
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