研究課題/領域番号 |
15K02117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
Tokita Alison 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 日本伝統音楽研究センター所長 (60589662)
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研究分担者 |
津上 智実 神戸女学院大学, 音楽学部, 教授 (20212053)
仲 万美子 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (50388063)
日下部 祐子 京都市立芸術大学, 音楽学部, 非常勤講師 (90727041)
劉 麟玉 奈良教育大学, 音楽教育講座, 准教授 (40299350)
竹内 直 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 非常勤講師 (70750438)
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連携研究者 |
柿沼 敏江
坪井 秀人
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研究協力者 |
李 京粉
張 海欣
クロッティー ジョエル
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 藝術歌曲 / 東アジア / オーストラリア / 帰属意識 |
研究成果の概要 |
本研究は19世紀ドイツに由来する芸術歌曲に新たな地平を開いた。日本だけでなく朝鮮、中国、オーストラリアに視野を広げたからである。まず、試演会での演奏で芸術歌曲の異文化理解が深まり、その後五ケ国の歌手による公開リサイタルの原語による演奏は、観客に衝撃を与え、画期的な出来事となった。 20世紀前半の東アジアとオーストラリアの芸術歌曲は、音楽的特徴や社会機能を共有し、自国からの影響もあり、東アジアでは唱歌や童謡、オーストラリアではバラードの影響が強いことが明らかになった。自国語の詩に作曲したことは極めて重要で、これが近代の国民帰属意識に繋がり、その時代の国民文化の形成に大きく貢献したことを確認できた。
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自由記述の分野 |
音楽学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一国の洋楽受容史を越え、東アジアとオーストラリアの事例に視野を広げた画期的、先駆的な研究であり、将来の研究の土台を築いた。成果を国際会議や報告書で広く発表した。言葉の壁を越え、対象国の研究者との協力を得て、今後の国際的な研究の可能性を開いた。 リサイタルでは、聴衆は日本の戦前の芸術歌曲を再確認・鑑賞でき、近隣国にごく似た音楽現象があったことを認識できた。郷愁を表現する歌曲が東アジアに共通して存在したことが明らかになり、日本の音楽的感受性を相対化する機縁になった。五ケ国の歌曲のほかに、東アジアで国境を越えて活躍した作曲家もプログラムに入れ、芸術歌曲の国際的な性格を示した。
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