本研究は、チャゴス難民を扱った文学作品(モーリシャス・英・米)を分析し、その表象が難民たちの苦悩と実態をどのような手法でどこまで表現手法ているか、手法そして読者にどのように理解されているかを調査するものである。換言するならば、米軍基地の存在により起きている諸問題に文学が果たしうる役割である。 チャゴス諸島は英米よりその地政学的な利点に注目され、独立時にモーリシャスより切り離され英領と名称まで変えられた上で住民を段階的に強制移住させた後、米軍基地を建設するためにアメリカに貸与され現在に至っている。帰島後にも起こるであろう問題を見据え、沖縄文学による米軍基地問題の表象を比較対象として分析提示した。
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