研究活動の当初はシェイクスピア演劇と当時の説教との関係を文献学的に解明することを目指した。しかしながら、説教から派生した修辞学への関心へと研究の焦点が移り、結果として平成27年度と平成28年度には『ハムレット』などの劇における修辞学に関する口頭発表を行い、論文を執筆した。特筆すべきは、イギリスの伝統ある学術誌、Notes & Queries 誌に2年連続で論文を掲載できたことである。研究活動の後半においては、当初の目的であった演劇と説教の間の相互言及の関係性を足掛かりに『あらし』や『ヴェニスの商人』における説教の影響を論じ、それぞれ平成29年度と平成30年度に口頭発表を行った。
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