日本語はヘッド(句や節などの要となる要素、動詞など)が句や節の終わりに現れる。ヘッドは構造に関する情報を持っているため、ヘッドが節の終わりに現れると構造に関する予測が立て難いことが考えられる。しかし日本語でも文の中で先に現れる語句が後に現れる語句を予測させること、母語としての日本語と比べると上級レベルであっても第二言語では予測を立てることが困難である場合があることが示唆された。また、文脈の意味情報があっても統語処理が優先され、統語処理への文脈情報の影響が弱いことを示す。一方、文外文脈の意味情報は意味的バイアス条件下の関係節の処理を促進したことから、文の意味処理に影響することが分かった。
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