日本手話(JSL)のような視覚言語は、実は他の音声言語と同様に文法を持つ言語システムであるにも関わらず、手話使用者以外からしばしば、ただのジェスチャーの集合体であると考えられる。音声言語を対象とした先行研究のおかげで、内容語が特定の環境で文法要素に変化する過程である「文法化」が文法を生み出すことがわかっている。本研究では、JSLにおける文法化が起こる環境の一つは複数の動詞が連続する動詞連続構文(SVC)であることを明らかにした。そして動詞連続が文法化のために最適な環境となるために従う条件を規定した。
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