譲歩の意味を表す語句や構文からの意味変化について、新たな意味を拡張するプロセスやその動機づけをコーパスからの用例を分析することにより明らかにし、意味変化理論におけるその意味合いについて考察した。 事例研究として取り上げたhaving said thatとその関連構文は継起的意味から譲歩構文としての意味を定着させているが、さらにトピックシフトを合図する談話標識的用法を持つことが明らかになった。この談話的機能の発達は、譲歩節+主節という譲歩構文の特徴に動機づけがであり、また、スコープを文から談話へ拡大するという点でanywayなどの譲歩表現と軌を一にするものであることが分かった。
|