研究課題/領域番号 |
15K02677
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
永井 正司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90237488)
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研究分担者 |
鈴木 章能 長崎大学, 教育学部, 教授 (70350733)
Quinn Kelly 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20308844)
桑村 テレサ 京都学園大学, 国際交流センター, 准教授 (30639646)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 科学技術英語 / 批判的思考 / 産学連携 / 文学テクスト / 企業人材 |
研究実績の概要 |
1.理工系学部における科学技術英語と批判的思考の関係について、引き続き研究を進めた。トレーニングとしての科学技術英語に関して、無意識に使いこなせるレベルまで徹底して訓練することで、批判的思考その他の創造的思考が活発化するという関係性があることを検証した。また、理工系学生の英語授業受講に対する意識をデータとして収集するために、学部2年次学生(約1,000名)を対象にアンケート調査をおこない、正確な実情把握と検証をおこなった。 2.批判的思考を促進する英語教材のあり方について検討を継続し、国際学会での研究発表(2016.8)その他をおこなった。また、本研究課題をタイトルとしたシンポジウム(2016.8)を開催した。 3.効果的な英語教育のための産学連携の観点から、海外における英語教育と国際企業の求める人材について調査を続け、人文主義的な要素のある英語教育こそが英語を用いて国際的に活躍できる人材を育てられることを確認した。また、狭義の科学技術英語にとどまらない文学的な観点から、将来目指す職業に応じて読むべき文学テクストの整理に務めるとともに、現在の英語教育を職業教育主義と定義し、その功罪を分析、紙媒体で文学を読むことが軽視されている社会的要因やそうした状況における英語教育が批判的能力や倫理の欠如した人間を育成することを探究した。 4.上述の成果を取り込みながら、e-Learning教材の研究を続行し、読解と語彙に特化した教材(ウェブ・紙媒体両方)の開発につなげた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の研究計画は、前述の「研究実績の概要」に記された1-5の通り、順調に遂行されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
1.英語教育における批判的思考の導入の観点から、科学技術英語のトレーニング的な要素と批判的思考に代表される創造的思考の要素のバランスのあり方、両者をベストミックスするための適切な方策その他について、検討を進める。今までにおこなってきたアンケート調査の結果等も重要な検討材料とし、実際の教育現場で実践可能な教授法・教材を探求する。 2.産学連携の観点から、企業における英語使用の実態やOJTの様子について調査を継続し、産業界が求める大学英語教育と軌を一にした英語教育プログラムを立案する。 3.人文学の観点から、英語教育で使用される教材におけるテクストを吟味し、職業教育主義だけにとどまらず、批判的思考や倫理観の醸成も視野に入れた教育プログラムの策定につなげる。 4.ウェブ教材の開発に関して、今までに開発してきたものをベースに、読解・語彙要素の一層の拡充やレベルの明確化等に取り組むことで、さらなる改良を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定だった図書と消耗品の一部について、別の経費で購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度に予定している研究成果発表のための旅費、および図書・消耗品の購入費用に充当する。
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